メイン画像

固体酸化物形燃料電池について

Bloom Fuel Cell

燃料電池は1世紀以上前に発明され、1960年代以降、NASAのすべてのミッションに用いられてきましたが、コストが高いため、いまだに広く普及していません。

プロトン交換膜燃料電池(PEM)やりん酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)といった燃料電池のこれまでの技術はみな、高価な貴金属や耐腐食性酸、あるいは収容しにくい素材が必要でした。コストパフォーマンス面においても代替手段をわずかに上回る程度であったため、市場全体の状況は、これまで大きく変わりませんでした。

従来の燃料電池技術のメーカーは、廃熱を利用した熱電併給(CHP)スキームを提供することで、こうした制限を克服しようとしました。CHPの登場により、ある程度コスト面における問題は改善されましたが、その効果があるのは、熱と電力の必要量の割合が24時間365日ベースでぴったり合っている場合のみです。そうでない場合は、利点よりもCHPのコスト、複雑性、カスタマイゼーションといったマイナス面のほうが大きくなります。

これまで何十年もの間、燃料電池技術の中で固体酸化物燃料電池(SOFC)が最大の可能性を持つということで専門家たちの意見は一致してきました。低コストのセラミック材料と極めて高い発電効率により、SOFCはCHPに頼ることなく、優れたコストパフォーマンスを発揮するためです。しかし、現在まで、この有望な新技術の商業化には、技術的に大きな課題がありました。SOFCは一般的に800℃以上で稼働し、この熱により、極めて高い発電効率と燃料柔軟性が得られるものの、同時に技術上の課題も生まれていたためです。

Bloom Energyはこうした技術上の課題を解決しました。材料科学における画期的な進展と革新的な新設計により、Bloom Energyは経済性の高い、火気を一切使用しない全電気式ソリューションを用いたSOFC技術を実現しました。

1世紀以上にわたって製造されている燃料電池は、分散型電源として、今ようやく、クリーンさと安定性という利点、そして他の何よりもコスト競争力を備えたものとなりました。